第35章 彼を見つけた

南雲玲奈は、まさか相手からそこまで高く評価されるとは思ってもいなかった。

驚いた。けれど同時に、胸の奥がふわりと弾むようにうれしい。

彼の言葉を、玲奈は素直に信じた。

なにしろ相手は美術を専門にしている先生だ。見る目なら、自分よりずっと確かに決まっている。

しかもその先生は、よほど才能を惜しんだのだろう。言うだけ言って立ち去ることはせず、その場に残って、しばらく香澄に描き方のアドバイスまでしてくれた。

香澄はひどく真剣に描いていた。加えて、飲み込みも早い。先生が要点をひとつ示せば、肩の力を抜いたまま、すっと本質を掴んでしまう。

若い先生はたちまち悔しくなった。

もっと自分に教え...

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